アニメやマンガ、小説などの舞台となった土地をファンが訪ねる「聖地巡礼」が、近年盛んになっている。経済効果や地域振興への期待から地方自治体などが熱い視線を注ぐ中、学問的な研究対象として扱う動きも始まっている。(磨井慎吾)
昨年12月、東京・市ケ谷の法政大で、聖地巡礼などの現象を考察する「第1回コンテンツツーリズム学会研究発表大会」が開かれた。
「コンテンツツーリズム」とは、アニメをはじめ小説やドラマ、映画などの著作物(コンテンツ)に関心を抱いたファンが、その舞台を訪ねる観光行動(ツーリズム)を指す。平成23年に同学会を設立し、会長を務める増淵敏之・法政大大学院教授は「コンテンツを軸として、地理学や社会学をはじめとした学際的研究を行っている」と説明する。