サントリーホールディングス(HD)は24日、傘下のサントリービールの社長にサントリー酒類の山田賢治常務(55)をあてる人事を発表した。3月下旬に就任する。水谷徹・現社長(55)はサントリー酒類の常務執行役員に就く。トップ人事を刷新し、ビール事業をてこ入れする。
山田氏は国内酒類の営業畑が長く、現在はサントリーHDの執行役員も兼務している。サントリービールは酒税改正を見据え、2015年に「ザ・モルツ」を新発売するなど、減税されるビールを強化していた。しかし、16年のビールの国内出荷は前年比4.5%減と苦戦し、立て直しが課題となっていた。
サントリービールの水谷社長は14年10月に就任したばかりで、ほぼ2年半という異例の早さでの交代となる。水谷氏は兼務するサントリーHDの執行役員は継続する。
併せて4月に、サントリーHDの傘下にサントリービールを含めた酒類事業の戦略を担う新会社「サントリーBWS」を設置することも発表した。サントリーBWSの社長は、創業家出身でサントリーHD副社長の鳥井信宏氏(50)が兼務する。新会社の傘下にサントリービール、国内酒類営業のサントリー酒類、ワイン事業のサントリーワインインターナショナルを置く。新会社が全体戦略を担い、酒類事業を一体運営する。鳥井氏がビール事業の戦略にも積極的に関与し、同事業の強化につなげる狙いとみられる。