米原発建設で最大7000億円規模の損失が発生する見込みの東芝に対し、取引のある銀行団が2月末まで協調融資を継続することが23日、固まった。東芝は支援の前提となる改革を加速するため、半導体の主力製品「フラッシュメモリー」の分社化に向けた検討を本格化する。
格付け会社による格下げが相次ぐなど信用力が低下したため、東芝は今月10日の会合で銀行団に融資残高の維持を要請。三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行の主力3行は支援を表明した。地方銀行などは23日までに判断することになっていた。一部から反対意見も出たが大多数が賛成したもよう。
関係者によると、協調融資の残高は昨年12月時点で2800億円規模。東芝の借入金の残高はリースを含む全体で約9000億円とされる。損失額や再建策の動向によっては、3月以降の支援の調整が難航する可能性もある。
東芝は銀行団からの支援を確実にするため、三重県四日市市の工場で製造する「フラッシュメモリー」を分社化し、株式の一部を入札で売却する方針。売却額は数千億円規模を見込み、キヤノンや外資系ファンドなどが出資に意欲を示している。分社化には臨時の株主総会が必要とみられるが、東芝は3月末までの入金を目指し対応を急ぐ。