■グループ連携で海外事業強化
--海外事業の強化策は
「売り上げや利用者拡大は順調に進んでいる。グループで海外事業を担う会社(ディメンションデータやNTTコミュニケーションズなど)が連携強化のために協議に入っており、ノウハウの共有やクロスセル(グループ連携による受注)拡大が期待できる。調達面でのコスト削減や仕様の統一で無駄をなくす。重複業務の整理など効率化も行うが、乱暴にやって優秀な人材に辞められたら元も子もないので、時間をかけて慎重に進めたい」
--距離による設定から一律の通話料金に変更される固定電話のIP(インターネット通信規格)化を2025年頃までに行う
「物理的に交換機の寿命がくるのでIP化するということだ。電話機を買い替える必要が生じたり、料金が高くなったりすれば固定電話はさらに衰退してしまう。最小限の追加コストでできるように(総務省の審議会で)議論していただいている。『マイライン』(通話ごとにあらかじめ登録した電話会社を選択できるサービス)など、過去のルールを維持するのに投資することは勘弁してもらわないといけない。『利用者に負担をかけない』ということを前提に進めたい」
--17年に策定する中期経営計画の考え方は
「人工知能(AI)、ビッグデータ、VR(仮想現実)などの技術を使って、いろいろな業界の人たちが新しいことができるようになった。それを一緒になってやっていかないとわれわれ自身がだめになる。パートナーとしてお手伝いすることが重要で、『BtoBtoX』(サービスを提供する会社をNTTの技術で支援するビジネスモデル)をさらに推進する」