【2017 成長への展望】新日鉄住金社長・進藤孝生さん(67) (1/2ページ)

2017.1.4 05:00


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 ■3つの競争優位 源泉に飛躍

 --昨年は、世界が大きく変わった一年だった

 「堅調な先進国の経済が新興国の景気減速を補い、全体としては緩やかに成長してきた。ただ、英国のEU(欧州連合)離脱やドナルド・トランプ氏の米大統領選当選が象徴するように、所得格差や中間層の疲弊、移民問題といったグローバリズムの矛盾が露呈し始めた。内向きで孤立主義的な傾向が増している」

 --業界にとって逆風となった出来事も多かった

 「個人消費が思っていたほど上向かなかった。消費税再増税が見送られ、駆け込み需要もなかった。熊本地震や円高も予想外だった。一方、1年前は先行きが見通せなかった中国の過剰生産能力問題については、削減に向けた枠組みが整い、対応が進んだ」

 --需要の見通しは

 「世界需要は緩やかながら回復しており、今後も底堅く推移する。中国も自動車販売が堅調で、景気刺激策の後押しもあって、需要そのものは落ちていない。中国が安値輸出していた鋼材が(中国)国内へ戻る中、市況はかなり上向いている」

 --米国を中心に保護主義的な動きが強まり、日本が反ダンピングの対象になるケースも増えている

 「日本から米国への輸出は多くなく、現地で造れない高級鋼を中心に輸出しているので影響は少ない。ただし、(反ダンピング課税で)米国から閉め出された中国や韓国の鋼材が日本に流れ込む可能性はある。このため(流入鋼材への)監視をかなり強めており、不当廉売の事実があれば、しかるべき対応を取る」

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