すでに来年3月に三越千葉店、三越多摩センター店を閉店することを決めているが、取り巻く環境は厳しく、さらなるリストラも検討している。この日の会見では伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)と伊勢丹府中店(東京都府中市)、松山三越(松山市)、広島三越(広島市)の4店の売り場面積の縮小や他社との提携、業態転換の検討を明らかにした。
各店舗の営業利益や債務超過、数年先のフリーキャッシュフローを同社が定めた評価基準に照らし合わせると、この4店が該当しているという。大西社長は「まだ検討段階で正式決定しておらず、閉店ありきではない」と述べ、17年秋から18年度中に結論を出す。
これまで三越伊勢丹は08年の統合以降、リストラの対象となっていたのは三越の不採算店舗が中心で伊勢丹が閉店したのは吉祥寺店だけだった。ただ、今回は伊勢丹松戸店と府中店もリストラ対象となっている。
一方、大西社長は会見の席で、管理ポストの削減も示唆した。統合後に管理ポストが増えており、人件費の増加が経営を大きく圧迫しているためだ。
これまで三越伊勢丹は旧三越と旧伊勢丹で待遇格差があった。旧伊勢丹の賞与が旧三越より2倍以上高く、リストラは旧三越ばかりだった。そのため、「三越出身者の不満が高く、会社が一枚岩になれていなかった」(三越伊勢丹HD関係者)。