愛媛県と愛媛大が共同で開発した“幻の魚”と呼ばれる「スマ」の完全養殖魚「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」が、大阪市北区の阪神百貨店梅田本店で開催中の「愛媛のうまいもんまつり」で“正式デビュー”した。完全養殖スマは国際的な漁獲規制が強化されているクロマグロの代替魚として注目されており、同店関係者は「期待の星」として、今後は定期販売にも乗り出す方針だ。(嶋田知加子)
スマはサバ科の高級魚でオボソやヤイトガツオなどの別名を持つ。本州中部以南の太平洋などに広く生息し、トロのようなきめ細やかな脂が乗り、臭みもなく、筋っぽさがほとんどないため、非常に食べやすいのが特徴だ。しかし、捕獲が非常に難しく“幻の魚”と呼ばれてきた。
水産養殖の生産額が全国1位を誇る愛媛県は、平成25年から愛媛大と共同でスマの養殖技術開発を進めてきた。今春には完全養殖に成功。重さ2・5キロ以上、脂質含有率25%以上、一本釣りで釣り上げるなどの厳格なブランド規格を設け、「希少性が極めて高い愛媛の貴重な海の恵み」(愛媛県)であることから「伊予の媛貴海」と名付けられた。