経済界や医療団体など民間主導で健康づくりや医療費抑制を進める「日本健康会議」は25日、2020年までに実現を目指す8項目の目標について、初年度となる16年度の状況を発表した。同会議が800市区町村以上を目標に掲げた「生活習慣病の重症化予防」は、118市区町村が実施した。
同会議は、国民健康保険(国保)の運営主体である市区町村や、主に大企業の健康保険組合、中小企業の従業員らが加入する協会けんぽなどに8項目の取り組みを求めている。会議の事務局は「遅れている項目もあるが、全体的には良好な達成状況だ」としている。
被災した熊本県を除く全国の市区町村や健保組合などを対象に、同会議が6月から7月にかけて調査し、93%の3202団体から回答を得た。
同会議は項目ごとに複数の条件を設定しており、条件を満たした団体を数えた。生活習慣病予防のほかでは、買い物に使えるポイントなどインセンティブ(動機付け)を与えて健康診断の受診や運動を促す取り組みを115市区町村が実施。最終的には800市区町村にする目標だ。
「全団体が実施」を目標にしているジェネリック医薬品(後発薬)の使用割合を高める取り組みは、国保が4.9%、健保組合が8.7%、協会けんぽが62.5%-などだった。
同会議が東京都内で開いた活動報告の会合に出席した塩崎恭久厚生労働相は「わが国が高齢化の下で活力を維持していくためには、健康寿命の延伸が不可欠だ」と強調。横浜市などの自治体や企業が、先進的な取り組み事例を発表した。