多々見 我々の努力不足という面はあったと思うが、いかんせん舞鶴は東京から遠い。情報量という面で圧倒的に不利だったと思う。だから今、さまざまな面でのアピールを試みている。
--新幹線が通ることはは、府北部地域の発展に大きい役割を果たす?
多々見 日本海側と太平洋側の経済格差は、新幹線など社会基盤整備の遅れに負うところが大きい。しかし、ただレールができるだけではだめ。やはり駅ができないと。
--舞鶴市長としては、やはり舞鶴に駅を作りたいのでは?
多々見 府北部5市2町が協力して誘致活動をしているので、少なくとも府北部には必ず駅を作ってもらいたい。ただ、海軍鎮守府ができて以来、舞鶴が日本の発展に果たし続けてきた役割を考えると、舞鶴に新幹線の駅を作り、この街がこれ以上衰退していくのを防ぎたいという思いは当然ある。
--市長は石川県の出身で、大学も金沢。舞鶴共済病院の院長として舞鶴に来て市長に転身したわけなので、いわゆる“郷土愛”とは違うと思うが
多々見 医者はなんでも物事を広く客観的に見る癖がある。日本全体の中での舞鶴の位置付けや、自分が今その責任者になっているという状況を考えると、新幹線の誘致に全力を尽くすしかないと思った。当然、地元の人たちの郷土への思いも大切にするが。
--ただ、その割りには地元の盛り上がりが今ひとつという声も聞こえる