東京都板橋区の東武東上線脱線事故で、中板橋駅から池袋方向に約50メートル走った地点から、電車が停止した地点まで約200メートルにわたり、車輪と枕木が接触したとみられる痕跡が残っていたことが18日、警視庁への取材で分かった。東武鉄道によると、運転士は加速が悪いと感じており、出発直後に脱線した可能性がある。警視庁や東武が詳しい状況を調べている。
警視庁によると、乗客が車内の非常報知器を押して警報音が鳴り、運転士がブレーキをかけて停止させた。乗客は「前の車両が浮いた感じがしたから押した」と話しているという。
運輸安全委員会の鉄道事故調査官3人も現場で調査。東上線は池袋-上板橋間の上下線で運転の見合わせが続いた。
東武によると、同日午後0時10分ごろ、東京都板橋区の中板橋-大山間で、成増発池袋行き普通電車(10両編成)が、緩やかな右カーブを走行中に緊急停止。前から5両目の一部車輪が右側に脱線していた。