株主からも「取締役がこれほど入れ替わるのは通常ではない」などと不満の声が漏れた。総会は新任取締役が抱負を語ることもなく終了。会社側は成長戦略の説明を尽くしたとは言い難く、新体制の経営次第では株主の不満は大きくなりかねない。久実氏から計18%超の株式を相続した妻の三枝子さん(62)と長男、智仁氏(27)は、総会で質問をせず沈黙を貫いた。創業家は株式を3月に相続したばかりで準備が間に合わず、動議も出さなかった。
ただ、会社法の規定で9月になれば株主提案などの権利を行使できる。臨時株主総会の招集を求め、対抗する人事案や経営方針を示し株主に改めて賛否を問う構えで、対立が収まる気配はない。(大柳聡庸)