ベネッセホールディングス(HD)は11日、原田泳幸会長兼社長(67)が退任し、後任の社長に福原賢一副社長(65)が昇格する人事を発表した。原田氏は、2年連続で最終赤字に陥った経営責任を取り辞任する。6月25日の株主総会後の取締役会で正式に決める。代表権のない会長に社外取締役の岩田真二郎氏(67)が就き、原田氏が兼任していた中核子会社ベネッセコーポレーションの社長には小林仁副社長(55)が昇格する。
「業績悪化は(個人情報漏洩(ろうえい)の)事故が原因でも、経営トップの責任としてけじめをつける」。原田社長は11日の会見で、ときおり涙を流しながら退任の理由を説明した。
ベネッセHDの業績不振の原因は、2014年に発覚した個人情報漏洩問題だ。問題を受け主力の通信教育講座「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の会員が次々に流出。16年3月期の連結最終損益は82億円の赤字(前期は107億円の赤字)と2期連続の赤字だ。