日本人は古くから、身の回りで「怪しい」「怖い」と感じる対象を妖怪としてイメージしてきた。江戸時代には「妖怪図鑑」や「妖怪カルタ」をつくるなど、妖怪をキャラクター化して楽しむ文化が出現した。
ゲームの中で、自然に生息する不思議なモンスターを収集してコレクションをつくるポケモンも「伝統的なキャラクター文化の流れをくんでいる」という。
また、ポケモンが子供のコレクション好きの本能をくすぐることが、日本にとどまらない世界的人気の背景にあるようだ。青木教授は「自然を探検して見つけた動物や植物を収集・分類する行為は、古今東西の子供の知的好奇心を刺激してきた」と話す。
子供たちは頭の中で好きなモンスターを主役に、他の特徴のあるモンスターを脇役に配置し、自分の世界観をつくり上げる。青木教授は「虫取りをする少年の感覚。自然が少ない都会の子供はポケモンで虫取りの楽しみを味わっている」と分析する。