フォルマファンタズマは歴史や文化をキーワードに活動している。これまで「グローバルへのイケイケ感」と「もの言わぬ日本の美学」の間を揺れ続けてきたレクサスが、世界に通じる言葉と地域でしか通じない言葉の2つを巧妙に使いこなすデザインチームと協業しようと決意した。
この決定そのものが、右往左往してきたレクサスの新たな光明を示すのではないか、とぼくは期待したのだった。
フォルマファンタズマのアンドレア・トリマルキ氏とシモーネ・ファルジン氏の2人は日本のトヨタを訪れ、トヨタの源流に豊田織機があると知る。塗装ラインでロボットではカバーしきれない作業を人手が補う光景を目にする。日本の建築空間には障子にあるように、見えるか見えないかが曖昧な光の世界があると気づく。