重工「ものづくり」技術力に危機感 海外受注で相次ぎトラブル、手法見直し (3/4ページ)

2016.4.5 07:06

掘削船や海洋構造物を建造するIHIの愛知工場=愛知県知多市(同社提供)

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 リスク管理体制強化

 今回の反省を踏まえ、4月に宮永俊一社長直轄の「事業リスク総括部」と「エンジニアリング本部」を新設した。これまで各事業部で工事案件の審査や工期を決めていたが、本体が横串しでリスク管理を行う。

 川崎重工業も、ブラジルの船舶事業で巨額損失を発生させており、6月から金花芳則副社長が社長に昇格する。リスク管理体制も強化する方針だ。

 各社の工事トラブルで共通するのは顧客が海外企業で、これまで建造実績がない案件が目立っている。3社とも航空機部品や電力設備の製造などは、海外企業との取引実績も豊富で国内工場で顧客の要求通りに作っている。だが、大型客船や海洋構造物の建造経験は乏しい。

 三菱重工の関係者は「造船事業は中国や韓国勢が力を付けており、コスト競争力で負ける。難しい工事を受注し、知見を得なければ、生き残れない」と話す。このため、高付加価値の新たな工事に挑戦し、海外企業との取引が増えているという。

ただ、海外企業との仕事は商習慣が異なり…

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