だが、変速数を増やせば歯車など部品点数が増えるため、ATが大型化して設計の自由度が制限されてしまう課題があった。
ホンダが開発した10速ATは、小型・軽量化して従来の6速ATと同等のサイズを実現したのが最大の特徴だ。
小型化が可能になったのは、3種のギアで構成するプラネタリーギアに独自の構造を採用したためだ。
遊星歯車の外側にも歯を設け、別のギアと一体化。前進と後退を切り替える部品も歯車と一体化するなど小型化に最適な構造を実現している。
その結果、全長は37.5センチと従来の計上よりも4.5センチ短縮し、多段階化による燃費改善と設計の自由度を両立した。一定速度で走行した際のエンジン回転数を26%削減して騒音も抑制した。