鉄鋼各社、CO2排出削減を加速 分離・回収技術、業界挙げて推進 (3/4ページ)

2016.3.21 08:50

新日鉄住金室蘭製鉄所にあるCO2の分離・回収装置。新日鉄住金エンジニアリングが納めた=北海道室蘭市

新日鉄住金室蘭製鉄所にあるCO2の分離・回収装置。新日鉄住金エンジニアリングが納めた=北海道室蘭市【拡大】

 ESCAPは、日本鉄鋼連盟や鉄鋼メーカーが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として進めている国家プロジェクト「COURSE(コース)50」から生まれた。新日鉄住金と地球環境産業技術研究機構(RITE)が吸収液を開発、そこに新日鉄住金エンジが独自開発したプロセスを加えた。

 製鉄プロセス改良も

 鉄鋼製品の元となる粗鋼を1トン作ると、CO2が2トンも発生する。このため産業界が排出するCO2の45%を鉄鋼業が占めているほどだ。業界では排出削減のため、製鉄プロセスの改良を一体で推進。50年までに排出量を3割減らす目標を掲げる。

 コース50では、CO2を発生しない水素による鉄鉱石の還元法も開発中で、6月には新日鉄住金の君津製鉄所(千葉県君津市)に試験高炉が稼働するが、ここでも新日鉄住金エンジが施工を担っている。君津には同社が前に納めた回収装置があり、試験高炉と一体で技術の蓄積を図る考えだ。

ESCAPは「技術的、コスト的には一定レベルに達している」

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