プレゼンスを構成する要素として、視覚情報としての「SIGHT」、耳から聞こえる「SOUND」、動きを正確に読み取り追随させる「TRACKING」、操作性を現す「CONTROL」、装着した時の感覚「COMFORT」、情報そのものを示す「CONTENT」を挙げた吉田氏。「プレゼンスはとても壊れやすい。違和感がひとつでもあると冷めてしまう」と話し、「いかに違和感を感じさせる要素を取り除くか」が重要で、そのために「プレイステーションVR」には、様々な工夫を取り入れていることを明かした。
「SIGHT」なら有機ELを使ったディスプレイに高精細の動画像を映し、「SOUND」なら360度から聞こえてくるような音場を作り上げる。普通のゲーム機の倍に当たる「120ヘルツで動作する有機ELディスプレイは自慢したいところ」と吉田氏。追随性が増して気持ちの良い映像体験ができるという。表示の遅延も「18ミリ秒未満。研究によれば頭を動かし、映像を動かす間の遅延が20ミリ秒を切ると、普通の動きと違いが分からない」。
そうした高い性能を詰め込んだ上に、「COMFORT」の部分で「頭に圧迫感を感じないようにする」工夫を「プレイステーションVR」のデザインに取り入れた。ベルトでギュッと締めるというより、「頭で支える」といったスタイルで「重さをあまり感じないようバランスを取っている。装着すると、着けているのを忘れる感覚になる」という。