ひとつがスマートフォンの爆発的な普及。「VRの実現に必要な、高精細で性能の良いフラットディスプレーやセンサーが、スマートフォンの普及で大量に作られ、コストが下がり、性能も飛躍的に上がった」。3Dグラフィックスを描画できる高性能のコンピューターが作られるようになり、「Unity」「Unreal Engine」といった開発ツールを使って、リアルタイムの3Dを使ったコンテンツを作るディベロッパーや開発者が増えたことも挙げた。ハード、ソフトの両輪が揃って「素晴らしいVR体験を、コンシューマに届けられる環境になった」ことが、今の賑わいを呼んでいると言えそうだ。
こうしたVRへの関心を一過性に終わらせず、永続的なエンターテインメントとして定着させていくためには、素晴らしいVR体験をユーザーに提供し続けなくてはならない。吉田氏はプレゼンスという言葉を掲げ、「没入感(Immersion)を越えた『別の世界に自分が存在することを信じてしまう』感覚」と説明して、これを提供する必要性を訴えた。