電力自由化の主戦場は首都圏 東電と激突…料金次第で16%が乗り換える? (2/4ページ)

2016.1.8 05:00

東京電力は2016年4月、大手電力で初めて持ち株会社制に移行し、小売り、火力発電、送配電の3事業を分社化する。写真は石炭を燃料とする常陸那珂火力発電所(茨城県)

東京電力は2016年4月、大手電力で初めて持ち株会社制に移行し、小売り、火力発電、送配電の3事業を分社化する。写真は石炭を燃料とする常陸那珂火力発電所(茨城県)【拡大】

  • 新電力の届出件数の累計

 中部電は三菱商事、日本製紙と共同で東電管内にある静岡県富士市で石炭火力発電を建設中で、電源の確保も進めている。地方での人口減少もあり、他の大手電力も首都圏で攻勢に出る構えだ。関西電力は東燃ゼネラル石油と組み、千葉県に石炭火力を建設する計画。中国電力はJFEホールディングスと、九州電力も東京ガス、出光興産と連携し、千葉県で大規模な石炭火力の建設を模索する。

 守勢に回る東電は、異業種との提携で対抗する構えだ。

 家庭向け電力販売でソフトバンクや有線放送大手のUSENと提携。電気と、通信や有線放送をセットにした割引サービスを全国で展開する考えだ。異業種との提携でサービスを多様化し、「東電管内で奪われるシェアを少なくすると同時に、域外での新規顧客の開拓につなげる」(東電幹部)思惑だ。

 全面自由化で競争が激化すれば、電気代の引き下げにつながる可能性がある。野村総合研究所によれば、全面自由化で新電力の料金が大手に比べ1割安ければ、16%の家庭が大手から契約を乗り換える意向を持っているという。また、セット販売など多様なサービスも期待され、消費者にとっては選択肢が増えることになる。

「東京ガスの供給エリア外でも電力を販売する」

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