文部科学省の外郭団体「国立情報学研究所」(東京)の新井紀子・社会共有知研究センター長も、打診を受けた一人だ。今年5月末、中国側から研究に協力を呼びかけるメールが届いた。そこには、中国が開発にかける資金が3年間で30億円と具体的に書かれていた。
さらに中国のAIのベンチャー企業や有名大学なども数多く参加して開発を進めており、最終的には中国の学力上位20大学への合格を目指していると記されていた。
政府の強い意向
中国の政府系機関紙「人民日報」のニュースサイト「人民網」によると、中国政府は、高度なAI開発を目的とした「中国脳計画」に本格的に乗り出している。
人民網では、AIの国際開発競争が近年激化していることを踏まえ、「中国政府も脳の研究を重視しており、関連計画を論証中」と指摘。特にAIの研究では「人工知能フレームワーク・アルゴリズム・システムを提唱し実現する」としている。