エンジンはもともと音がするもんなんだよと鷹揚に構えているカスタマーにとっては、新世代ディーゼルは十分以上に静かで、かつ面白く感じられることだろう。まずは速力。180~190psクラスの2リットルディーゼルは絶対性能も十分に優れているが、そればかりではない。
ディーゼルはエンジンの熱効率の高い範囲がガソリンに比べて広く、加速後すぐにブレーキを踏んで運動エネルギーを捨てるような運転さえしなければ、少々走りを楽しんだくらいでは燃費を大きく落とさずにすむ。スロットルを踏み込むことへの心理的抵抗が小さく、ストレスフリーのドライブを楽しめるのだ。
その燃費だが、前出の18.9km/リットルという数値は、Dセグメントモデルとして最高レベルにある。同じような走り方をしたと仮定すると、おそらくトヨタ『カムリ』、『SAI』より上であろう。燃費で後れを取るのはホンダ『アコードハイブリッド』くらいのものだ。この燃費の良さに加え、単価の安い軽油を燃料に使うこともあって、走行コストの安さは圧倒的だ。