まさに正念場だが、活路はある。メガソーラー建設が相次いだことで、平地が少ない日本では設置場所確保が難しくなりつつある。新たな設置場所を開拓できる「曲がる」次世代電池は、問題の解決に道を開く。
台風18号の影響による鬼怒川の氾濫では、太陽光発電事業者による土手付近の掘削が被害拡大をもたらしたと指摘されており、そこでも設置場所の問題が見え隠れする。海外では日本ほど場所に困っていないが、いずれは同じ課題に直面するとみられる。
さらに、太陽電池のシリコンは大半を中国から輸入している。シリコンを使わない曲がる電池の普及が進めば、資源外交に振り回されるリスクも減らせる。三菱化学の関係者は「(曲がる太陽電池は)中国メーカーが簡単に作れない」と自信を見せる。再び市場を支配するまではいかなくとも、一矢報いることはできそうだ。(井田通人)