現在の本社ビルは昭和56年に完成した地上5階建てで、有価証券報告書によると、簿価は本社ビルは土地(1万3千平方メートル)と建物で約30億円。ニトリHDに数十億円で売却する方向で、跡地は店舗として再開発される見通しだ。本社の向かいにある田辺ビルは、NTTグループの不動産会社、NTT都市開発が優先交渉権を取得しており、100億円程度で売却する方向。こちらは有価証券報告書によると、簿価は土地(1万1千平方メートル)と建物で約11億円で、マンションとして再開発される見通しだ。
シャープはしばらくは賃料を払いながら入居し、移転先を探すことになるとみられる。移転先は未定といい、業界関係者は「大阪でオフィスを借りることもあるが、キャッシュを生まない管理部門は工場などの空きスペースで十分。さすがに千葉の幕張ビルや三重の亀山工場など大阪から離れるのは難しいだろうが、八尾や堺などの工場ならありうる」と指摘する。
看板事業も
高橋社長は「不退転の挑戦に臨む今回の経営再建にもはや聖域はない」と強調し、シャープの看板を次々と下ろしている。