風力発電の設置が本格化している。東京電力が複数の風車を備えた大規模発電所の運転を初めて開始したほか、JR東日本など異業種の参入も相次ぐ。風力は天候に発電量が左右されるといった課題があるものの、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない。政府は2030年度に風力の発電量を足元に比べ3倍超にする目標を掲げており、地球温暖化対策を追い風に今後も設置が加速しそうだ。
東京電力は8月、静岡県東伊豆町と河津町にまたがる「東伊豆風力発電所」の営業運転を開始した。風力発電機を計11基設置し、出力は計1万8370キロワット。広い土地に複数の風力発電機を設置する「ウィンドファーム」を、東電本体が運用するのは初めて。
年間発電量は、一般家庭約1万世帯分の電力使用量に相当。年間で約1万6000トンのCO2削減を見込む。東電は風力発電の設置などを通じ「安定供給とともに、地球温暖化対策に取り組む」としている。