「原子炉が起動しました」。11日午前10時半、川内原発の中央制御室で当直長がこう宣言すると、室内は一層ピリリとした緊張感に包まれた。
制御室の様子は代表取材が許されるとともに、川内原発から離れた九州電力の事務所内の中継モニターで報道陣に公開された。
4年3カ月ぶりの稼働とあり、この日は制御室に通常の運転操作員ら約10人に加えて発電所長ら約10人も見守った。操作音がピッピッと鳴る中、午前10時23分、操作員が「起動前準備が整いました」と周囲に声をかけた後、発電所内に「ただ今から、1号機原子炉を起動します」との放送が流れた。
午前10時半、操作員がカバーを外して制御棒を操作するレバーを押すと無事に原子炉が起動した。起動後、取材に応じた川内原子力総合事務所の古城悟所長は「トラブルがないように慎重の上にも慎重に行いたい」と気を引き締めていた。