東京電力の株主総会が25日、東京都千代田区で開かれた。「原発からの撤退」や「再生可能エネルギーの優先利用」といった脱原発を求める株主提案が提出されたが、東電はこれらに反対し否決された。総会は3時間45分程度で終了した。
■「朝日新聞も社会的制裁受けた」
午前10時に始まった総会には2千人以上の株主が参加し、原発などに関する質問が相次いだ。
ある株主は、福島第1原発の所長だった吉田昌郎氏の聴取記録「吉田調書」の報道で、朝日新聞が「所長命令に背いて所員が撤退した」と誤った記事を掲載して後日記事を取り消した問題に関連し、「でっちあげに対し、名誉毀損(きそん)で損害賠償を請求しないのか」と質問した。これに対し、広瀬直己社長は「非常に残念な報道。(記事は)事実とは異なる」と強調した。その上で、「朝日新聞は謝罪し、社会的な制裁も受けている」と述べ、訴訟を起こさない考えを示した。
別の株主からは「尖閣諸島(沖縄県石垣市)に(使用済み核燃料の)中間貯蔵施設を作れば、中国も欲しがらないのでは」との質問も。これに対しては、数土文夫会長が「コメントする立場にないので、回答を拒否する」と述べた。