低廉で安定した電力確保が課題となる中、期待されるのが再生可能エネルギーの活用だ。JR東日本は北東北エリアの「再生可能エネルギー基地」化を中期経営計画に掲げて風力、バイオマス、太陽光とさまざまな自然エネルギーの活用に取り組み始めた。環境負荷の低減や、地域活性化の観点でメリットも大きく、早期の事業化を図る考えだ。
直径90メートル風車、今秋着工
荒波がしぶきを上げ、強風が吹き付ける日本海沿岸。JR東日本はその風を使った風力発電事業の準備を進めている。羽越本線の道川-下浜間(秋田市)の鉄道林用地に、高さ約80メートルのタワー、直径約90メートルの風車の風力発電施設を建設する。2015年秋に着工し、16年秋の運転開始を目指す。
年間発電量は約5800メガワット時で、一般家庭約1600世帯分の1年間の使用量に相当する。運営には、JR東日本と風力発電のノウハウを持つ地域エネルギー開発(東京)が共同で設立した「JR東日本エネルギー開発」があたる。20年までに発電量ベースで約40倍の規模に拡大する計画だ。