復興庁は12日、東日本大震災の集中復興期間後の2016~20年度に実施する復興事業の基本方針を発表した。高台移転など基幹事業は全額国費負担を維持する一方、地域振興などの事業は被災地に負担を求める。「復興は軌道に乗りつつある」として財政規律の維持を図る狙いで、政府は6月末にも財源を含めた復興予算の枠組みを決定する。ただ政府が想定する16年度以降の復興費用は被災各県が求める額を大きく下回っており、負担導入を含め地元との協議は難航も予想される。
竹下亘(わたる)復興相(68)は12日の記者会見で、財源に関し「消費税の再引き上げがある中、さらに増税で国民に負担を上乗せするのは、不可能に近いくらい厳しい」と強調。「自治体に自立の意志を持ってほしい」と負担への理解を求めた。16年度からの5年間を「復興・創生期間」と位置付け、地方創生のモデルとなる復興を目指すとした。
政府関係者によると、16年度から5年間の復興費用は5兆8000億円程度と算定。このうち2兆円程度の事業について数%台の地元負担を求める考えで、負担額は数百億円規模とされる。一方、被災自治体は、5年間の復興事業に8兆円以上が必要と試算している。