2015.5.3 17:14
関電システムソリューションズが新電力向けに開発した顧客管理用ITシステム「NISHIKI」の発表会=3月、東京都内(同社提供)【拡大】
関西電力系のIT企業、関電システムソリューションズ(大阪市北区)が、新電力(特定規模電気事業者)向けに顧客管理、料金計算など電力小売りの基幹業務を担うITシステムを開発、今春発売した。関電向けのシステムで培ったノウハウを注入。不慣れな新規事業者の事業支援も手掛ける。既存電力会社は傘下にシステム開発会社を抱えるが、親会社以外に基幹システムを売るのは異例だ。平成28年4月の電力小売りの全面自由化を控え、親会社の敵になりかねない新電力に塩を送る真意とは-。(内山智彦)
敵に至れり尽くせり
「電力会社系のIT企業の立場から、最適なシステムが提供できる」
今年3月、東京都内で開かれた新電力向けの事業セミナー。関電システムソリューションズの担当者は、新発売のITシステムをセールスポイントを訴えた。
「NISHIKI」と名付けたシステムは、住所など顧客情報の管理▽顧客ごとの料金計算▽料金徴収管理など電力小売りで最も基本となる業務に対応。機能を最小限に絞り、コストの低減と使いやすさを目指した。機能ごとのバラ売りもする。
「電力会社向けの業務で培ったノウハウがある。有利な立場にある我々が取り組まない手はない」。同社エネルギービジネス事業本部の橘俊郎副本部長は説明する。