日本生命保険が三井生命保険を2015年度末までに買収することで最終調整に入ったことが26日、分かった。三井住友銀行など三井生命の主要株主から約8割の株式を買い取り、子会社化する。買収金額は3000億~4000億円となるもようで、9月中の大筋合意を目指す。実現すれば明治生命保険と安田生命保険が合併した04年1月以来の国内の大規模な業界再編となる。
国内生保市場は人口減少で将来の規模縮小も懸念されているが、日本生命は当面、商品の工夫次第で規模の維持拡大が図れると判断。三井生命の買収で、競争力強化に乗り出し、シェアを引き上げる。日本生命は15年3月期に、売上高に相当する保険料等収入で戦後初めて第一生命保険に首位の座を明け渡したが、今回の買収で奪還できる見通しだ。
一方の三井生命は、三井系企業の団体保険に強く、日本生命が出遅れた銀行窓口で販売している保険商品を豊富に取り扱っている。ただ保険料等収入が伸び悩む上、契約者に約束した保険商品の運用利回りを実際の運用利回りが下回る「逆ざや」が続いており経営を圧迫、財務基盤の強化が課題となっていた。