大手生命保険会社で、女性の役員登用が相次いでいる。日本生命保険は4日、尾田久美子お客様サービス副本部長(60)と、山内千鶴サービス企画部担当部長(58)が25日付で執行役員に昇格すると発表した。尾田氏は保険営業の新システムへの移行と定着を果たしたことが、山内氏は男性職員の育児休業の完全取得を実現した実績がそれぞれ評価された。
また、明治安田生命保険では、松村里美成田支社長(53)が執行役立川支社長に、第一生命保険では高橋千恵子補佐役(55)が執行役員公法人部長にそれぞれ4月1日付で昇格する。
各社とも「現場の営業職員の約9割が女性のため、経営にも女性の目線や感性が不可欠」だと判断した。また、女性役員の登用で、若手女性職員のやる気を引き出す狙いもあるとみられる。
このほか金融機関では、りそなホールディングス(HD)や日本政策投資銀行が、女性行員を役員に登用することを決めた。りそなHDは、新屋和代埼玉りそな銀行人材サービス部長(50)と、有明三樹子コーポレートコミュニケーション部長(50)が4月1日付で、それぞれ執行役に昇格する。東和浩社長は「一歩大きく踏み出して組織の多様化に一層力を入れていく」と話す。
政投銀は、観光業界などを担当する企業金融第6部長兼女性起業サポートセンター長の栗原美津枝氏(50)を2月24日付で常勤監査役に充てた。
大和証券グループ本社では2人の女性役員に加え、新たに白川香名広報部長(48)が4月1日付で執行役員に昇格する。同社は「男女関係なく、同じように仕事を任せた結果、女性の登用につながった」と説明した。