西田氏の会長留任の裏には、米倉氏の後任として財界総理の目があったためだったとされる。それに対抗するかのように佐々木氏も日本経団連副会長として、財界活動に専念。経済財政諮問会議のメンバーとして存在感を発揮した。佐々木氏も財界総理を狙っていたとされる。
田中氏も西田氏の目を意識したのか高い経営目標を掲げ、自らの指示で利益水増しに関わった。しかし、21日の会見では自らの直接指示を否定。報告書の内容に不満を示した。
財界に多くの人材を輩出してきた名門企業ゆえのプレッシャーが経営者にのしかかったことが、利益至上主義や上司の意向に逆らえない「社内風土」につながったと、業界関係者は口をそろえる。だが、その名門企業への信頼は失墜。田中氏は21日の会見で「140年のブランドイメージを毀損(きそん)させた」と語った。