「mineo(マイネオ)」のブランド名で格安スマホ、SIM事業を展開するケイ・オプティコムは26日、既存のKDDI回線に加え、NTTドコモの回線を利用するプランを9月から提供すると発表した。MVNO(仮想移動体通信事業者)が複数大手の回線を使ったサービス提供に乗り出すのは、国内で同社が初。携帯電話のSIMロック解除が義務化され、大手から乗り換えるユーザーの増加が見込まれる中、他のMVNOの戦略にも影響を与えそうだ。
ドコモ回線を利用するプランの料金体系は、現在検討中。新プランの開始に合わせ、異なるプランを利用する家族や友人同士でも、互いにデータ通信容量を分け合える「パケットギフトサービス」を導入する。
藤野隆雄社長は「キャリア(通信会社)の壁を取り払い、利便性を向上させる。将来的には1枚のSIMで複数大手の回線を使い分けられる仕組みを目指したい」と会見で述べた。
MVNOの大半はドコモ回線を利用しているが、KDDIの通信規格(CDMA2000)とドコモ、ソフトバンクの規格(W-CDMA)は異なるため、KDDIユーザーが自前の端末を利用しながら乗り換えられる先はケイ・オプティコムだけだった。昨年6月のサービス開始以降7万契約を獲得しているが、ドコモ回線の導入により、さらに年間20万件の増加を目指す。