幻に終わった「NTT対抗軸」 電力系めぐり曲折…違いすぎた企業文化 (4/5ページ)

2015.4.27 06:34

2002年7月、IIJとパワードコムの提携会見で握手するIIJの鈴木幸一社長(左)とパワードコムの種市健社長=東京都港区

2002年7月、IIJとパワードコムの提携会見で握手するIIJの鈴木幸一社長(左)とパワードコムの種市健社長=東京都港区【拡大】

  • 1998年1月、TTNetはNTTより安い料金で関東圏の市内通話サービス「東京電話」を開始。NTTの独占状態に風穴を開けようとした

 敵の傘下で業績安定

 NTT副社長の高部豊彦(68)と和才博美(68)がそろって、鈴木に電力系との合併を思いとどまるよう話をしていたのは、その後のNTTとIIJの関係を考えると興味深い。

 パワードコムとの合併が白紙に戻り、通信基幹網を持つ子会社クロスウェイブコミュニケーション(CWC)の経営再建が急務となってきた03年春、鈴木はNTT社長の宮津純一郎に呼ばれた。

 宮津は「困ってんだろ。IIJと研究所を一緒にしないか。社名はIIJのままでいい。出資比率は6対4でどうだ」と、べらんめえ調で鈴木に合併を持ちかけてきた。

 「まだ、自力でがんばれる」と思っていた鈴木は申し出を断った。しかし、その半年後にはCWCが倒産し、NTTグループがIIJの第三者割当増資を引き受けて31%強の筆頭株主となった。次いで、CWCをNTTコミュニケーションズに100億円で営業譲渡。高部が主導した支援スキームだった。

皮肉にもNTTの傘下に入って業績は安定

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