幻に終わった「NTT対抗軸」 電力系めぐり曲折…違いすぎた企業文化 (3/5ページ)

2015.4.27 06:34

2002年7月、IIJとパワードコムの提携会見で握手するIIJの鈴木幸一社長(左)とパワードコムの種市健社長=東京都港区

2002年7月、IIJとパワードコムの提携会見で握手するIIJの鈴木幸一社長(左)とパワードコムの種市健社長=東京都港区【拡大】

  • 1998年1月、TTNetはNTTより安い料金で関東圏の市内通話サービス「東京電話」を開始。NTTの独占状態に風穴を開けようとした

 しかし、「うちに通信のプロはいないから鈴木さんに任せたい」と言うほど鈴木を買っていた山本が、前年に死去。後に社長となる勝俣恒久副社長(75)が山本の後任となって交渉は続くが、合併は実現せず、03年には交渉が打ち切られた。

 鈴木は交渉決裂の理由について「勝俣さんは(合併に)慎重だったようだ」と多くを語らないが、当初から「企業文化が違いすぎる」などと相性の悪さが指摘されていた。

 鈴木は会見日の夜、NTT幹部と飲んだことについて、著書「日本インターネット書紀」に書いている。

 《この提携話に最も神経をとがらせていたNTT幹部の高部さんや和才博美さんたちと飲み明かした。(中略)「なにより問題なのは、そもそも鈴木さんの激しい性格で、東電という巨大な官僚組織とうまくやれるはずがない。(中略)電力というのはNTTよりはるかに官僚的なのだから(中略)」と、高部さんの舌鋒(ぜっぽう)はいつも鋭い。

 「もしうまくいって、軌道に乗るようなら、NTTも再々編をやらないと対応できないけれどね」》

「困ってんだろ。IIJと研究所を一緒にしないか」(NTT宮津社長)

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