インテグラルとANAHDは交渉過程で、過半出資をめぐって激しく争った経緯があり、「呉越同舟」の船出となる。両社はスカイマークの再生計画案の策定を本格化させるが、主導権争いの火種は依然残っているとの見方もあり、信頼関係の醸成が鍵となる。
2月に始まったスカイマークの共同スポンサー選定は大幅に長期化し、約2カ月を要した。ANAHDは当初から「本命」とみられていたが、交渉で最大の争点となったのがスカイマークへの出資比率だった。
ANAHDは、共同歩調を取る銀行団と組んで実質的に過半数を占める意向を示し、大口債権者を味方に引き込んで8割程度の出資を主張。インテグラルもスカイマークの経営破綻直後から資金面で支援してきたとの自負から、「過半出資は譲れない一線」とこだわった。再生計画案の提出期限が5月29日に迫り、時間がない中、最後は監督委員が取りまとめに動いた。
スカイマーク社内にANAHDへの警戒感が根強い中、インテグラルが過半出資を確保する一方、ANAHDが経営陣刷新後の社長を出し、バランスに配慮した形だ。