【家電Watch】「3Dプリンター」は未来のツール? 実は家電の開発現場ですでに大活躍 (4/4ページ)

2015.4.13 06:14

実際に金型を作っているところ。3Dプリンターの台の上に金属粉末を少しずつ重ねていき、レーザー焼結していく

実際に金型を作っているところ。3Dプリンターの台の上に金属粉末を少しずつ重ねていき、レーザー焼結していく【拡大】

  • その後の切削加工。これを繰り返していく
  • 切削加工なしで作った金型(右)と、切削加工を繰り返して作った金型(左)。表面の仕上がりが全く違う
  • モノづくり企画グループコンカレント開発チーム主事の山内康介氏
  • 3Dプリンターを用いることで、金型を効率的に冷やすことができる複雑な形状の水管を通せるようになった
  • パナソニックエコシステムズの春日井工場。工場の外壁には太陽光発電パネルが並ぶ

 量産段階まで成功

 家電製品を大量生産する上で、金型の成形は必要不可欠だが、3Dプリンターを用いて、量産段階まで成功している例は少ないという。

 「一番の強みは連携ですね。特にここは、工場も併設しているので、すぐに試すことができる、あるいは不具合があったらすぐに再調整することができます」

 これらの取り組みは2001年頃から開始し、現在ではサイズの制限はあるものの、小型部品の金型はほぼ100%、3Dプリンターで成形しているという。

 「20年前と今では、家電製品ができあがるまでのプロセスは全く変わってきています。今では家電の開発、生産において3Dプリンターはなくてはならないものになっています。とはいえ、3Dプリンターは決して全自動の製品ではありません。うまく使うためには、コツや技術力が不可欠で、買ってきてすぐに使えるようなものではありません。パナソニックでは、レーザーの開発なども併せて進め、何度も試作を繰り返して、やっとここまでの形になりました」

 新しい技術を積極的に取り入れるというのはある意味賭けでもあり、パナソニックのような大きな会社でないと、難しい一面がある。技術革新を常に推進するパナソニックの絶え間ない努力が見えた。(インプレスウオッチ)

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