【家電Watch】「3Dプリンター」は未来のツール? 実は家電の開発現場ですでに大活躍 (3/4ページ)

2015.4.13 06:14

実際に金型を作っているところ。3Dプリンターの台の上に金属粉末を少しずつ重ねていき、レーザー焼結していく

実際に金型を作っているところ。3Dプリンターの台の上に金属粉末を少しずつ重ねていき、レーザー焼結していく【拡大】

  • その後の切削加工。これを繰り返していく
  • 切削加工なしで作った金型(右)と、切削加工を繰り返して作った金型(左)。表面の仕上がりが全く違う
  • モノづくり企画グループコンカレント開発チーム主事の山内康介氏
  • 3Dプリンターを用いることで、金型を効率的に冷やすことができる複雑な形状の水管を通せるようになった
  • パナソニックエコシステムズの春日井工場。工場の外壁には太陽光発電パネルが並ぶ

 工夫積み重ね

 「そこで、考えたのが金型を3Dプリンターで成形できないかということでした。粉末状の金属を使って、レーザー焼結することを繰り返していくことで、とりあえず形にはなったのですが、金属の層を重ねて作っていくので、断面がぎざぎざになってしまい、仕上がりの精度が粗くなってしまいました」

 そこから、考えたのが従来の削りだしの技術と、金属粉末をつかった3Dプリンターの工法を組み合わせることだったという。

 「金属粉末を重ねてレーザー焼結したあとに、切削工程をすることで、表面の粗さをとることに成功しました。切削工程と、レーザー焼結を繰り返すことで、表面はなめらかに仕上がり、量産に耐えられる金型を作ることができました」

 この新しい金型加工技術の開発により、金型製作に要する時間は従来の3分の2まで短縮できたという。また、3Dプリンターによる金型加工の利点は、時間短縮だけではない。

 「金型は、流し込んだ樹脂が素早く冷却するように、中に水管という水を通す管を作る必要があります。従来の削りだし工法では、水管の穴をドリルで作っていたので、まっすぐな穴しか作れなかったのですが、3Dプリンターを導入してからは、より複雑で、冷却効果の高い水管を作ることができるようになりました」

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