北陸新幹線の金沢-長野間が14日、延伸開業する。これにより東京-金沢間は最速2時間28分で結ばれ「日帰り圏内」となるため、北陸地方では観光客の増加のほか、開発ラッシュ、企業進出などさまざまな経済効果を誘発している。一方で、客を奪われる航空会社や他の観光地は開業後の動向に気をもむ。開業に伴う“泣き笑い”をまとめた。
企業の進出加速
「北陸新幹線の金沢開業は長年の悲願。100年に1度の節目だ」。石川県の谷本正憲知事は力を込める。富山、福井も含めた北陸3県に、首都圏からの観光客が大量に流入すると見込んでいるからだ。
日本政策投資銀行北陸支店(金沢市)などの試算では、開業後の1都3県からの観光・ビジネス目的の旅行客は石川で年約32万人、富山で約21万人増える見通し。宿泊費や飲食費などを含めた経済波及効果は石川で約124億円、富山で約88億円に上り、条件次第ではさらに拡大する可能性もあるという。
直接的な恩恵を受けるのはやはり観光業だが、東京方面からの移動時間が大幅短縮することで加速しているのが企業の進出だ。