政府は3日、JR東海が平成39年の東京(品川)-名古屋間の開業を目指して昨年着工したリニア中央新幹線について、大阪まで延伸開業した場合の経済効果などを調べる費用を来年度予算案に計上する方針を固めた。大阪延伸の関連費用を国が計上するのは初めて。政府・与党内にはリニアの前倒し開業を促すため、JR東海が自己負担する建設費を財政支援する案も浮上しており、大阪延伸関連の国費投入は波紋を呼びそうだ。
来年度予算案に盛り込むのは、リニアを含む高速交通ネットワーク形成の影響をつかむための調査費で、数千万円を計上する見込み。39年の開業を目指す東京-名古屋間と、その18年後に大阪まで延伸した場合の経済効果を調べるほか、リニア全線開業に伴う首都圏・中部圏・近畿圏の一体化が既存の新幹線網などを通じて全国に波及する効果も検討する。
これまでリニア関連の政府予算は、担当局である国土交通省鉄道局が東京-名古屋間の地下トンネルの防災対策費などを要求し、計上してきた。ただ、同区間は昨年12月に着工しており、今回は概算要求に関連費用を盛り込んでいない。