3月14日に長野-金沢で延伸開業する北陸新幹線は、長距離にわたり日本海沿いを走る初めての新幹線だ。延伸区間228キロのうち103キロは大小35のトンネル区間だが、トンネルを抜ければ北アルプスや日本海がパノラマとなって瞳に飛び込んでくる。他の新幹線とはひと味違う景観を楽しめそうだ。
青色に輝く日本海
金沢へ向かって長野駅を出発するとすぐ、線路は千曲川そばを走る。日本最長の河川で、新潟県に入れば信濃川と名を変えるが、お付き合いするのは長野県内の飯山駅付近まで。この間はリンゴ畑や、春に咲き誇る菜の花を眺められそう。
飯山駅を過ぎると、鉄道トンネルで長さ国内4位となる22.251キロの飯山トンネルへ。7分前後で走り抜ければ、そこは新潟県だ。日本有数の豪雪地帯で、冬は厚く積もった雪が白銀の世界を見せる。上越妙高駅の南には、妙高山の雄姿を望む。
トンネルが断続的に続き、次に視界がぱっと開けるのは糸魚川駅周辺。目前には深い青色をした日本海の水面が輝く。内陸側に目を向ければ、姫川に沿って糸魚川-静岡構造線断層帯が通り、世界的に貴重な地質や地形を持つ自然公園「世界ジオパーク」に認定された「地質の宝物」が存在感を示す。