全国各地で新しい市民マラソン大会が続々と誕生している。北陸新幹線開業を目前に控える富山、金沢などが1万人規模の大会を創設。ランニングブームを地域活性化につなげようと関係者の鼻息も荒い。
月刊誌「ランナーズ」を発行するアールビーズによると、マラソン大会は東京マラソンが始まった2007年以降、2倍以上に増加。昨年はアールビーズが関わったものだけで約2000大会に上ったという。「東京」の成功を手本とし、かつての主流だった郊外型から都市型の大会が増えているという。
新たな大会は自治体主導で始まるケースが多い。11月15日に号砲予定の金沢マラソンは、山野之義市長が10年に初当選した際の選挙公約だった。運営費約3億3000万円の約3分の1を市が負担し、残りは協賛金とランナーの参加料。これに対し、経済波及効果は12億円を見込んでいる。
目玉は旅行会社とタイアップした「優先出場権付きツアー」。大会組織委員会事務局は「せっかく金沢にきていただくので、温泉や食事も楽しんでもらいたい」と狙いを語る。そこには、大会を町おこしのツールとしても活用したいとの思惑がある。