■膨らむ生産費用 日用品に影響必至
値上げの波が広がる背景には、原燃料価格の高騰に端を発する生産コストの上昇がある。1バレル=100ドル近辺(北海ブレント原油)の高値圏で推移する原油価格を円安が一段と押し上げた結果、燃料費が増えた電気料金が上昇。ガソリン価格の影響が大きい運送費にも影響が波及し、生産費用全体が膨らむ構図だ。
これまでは値上げの動きは主に素材メーカーにとどまっているが、家庭向け製品にも影響が及ぶのは必至。
すでにクレハは石油由来のプラスチック価格上昇で、11月1日出荷分からの家庭用ラップ「NEW クレラップ」の値上げを決定している。
足元では原燃料価格が一部で落ち着きつつあるが、中東の政情不安や、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和縮小による円安傾向の影響で、今後も高水準で推移する可能性が高い。
企業や家計にとって原燃料高への対策は消費税増税に続く、大きな課題となっている。(会田聡)