経済産業省は23日、電力システム改革の具体的な制度設計について有識者が検討する作業部会を開いた。電力各社が持つ利用者情報を円滑にやり取りするため、電力使用量や停電など送配電に関する情報を標準化して管理し、専用システムで情報交換できるようにする方針を示した。利用者が電力会社を乗り換えやすくすることに加え、新規参入業者の負担軽減が狙い。電力小売りが全面自由化される2016年度に向けてシステム構築を目指す。
この日の作業部会では、全国規模で電力の需給調整を行うことを目的に新設する「電力広域的運営推進機関(広域機関)」の設立準備組合が検討状況を説明した。それによると、電力各社が持つ利用者の契約電力や電力使用量、設置機器、停電など送配電に関する幅広い情報を、新たに構築する専用システムを通じて円滑にやり取りできるようにする。
現在、契約者の情報については、電力会社ごとに異なる形式で管理している。このため、例えば新規事業者が複数の電力会社の供給管内で広域サービスを展開しようとする場合、それぞれの電力会社の形式に合わせる必要があった。これを標準化することで、新規参入業者が必要な情報を円滑に利用できるようになることが期待される。