□東京工業大学大学院教授・小長井誠氏
太陽光発電の大量導入が始まる中、海外メーカー製のシェアが上昇している。コスト面の有利さが理由だが、日本勢の巻き返しは可能なのか。40年以上にわたり太陽電池を研究している東京工業大学の小長井誠教授は「物性的な制限を超えて変換効率をさらに上げることが重要だ。その研究も始めた」と指摘する。
--国内市場で海外メーカーの太陽電池が増えている
「コスト面が主な理由だが、信頼性や光を電気に変える光電変換効率では日本メーカーがまだ世界トップだ。これから太陽光発電が国内で2000万キロワット、3000万キロワットと増え、世界生産も現在の年間4000万キロワットから1億キロワットに増えていくと予想される中で、シェア3割をとれれば相当な量になる。ただ信頼性や変換効率の要求がより高くなり、中小メーカーは生き残れなくなるだろう」