ライオンの浜逸夫社長も、「石油由来の原料はナフサ(粗製ガソリン)を中心に(価格高騰の)影響を受けている」と指摘するが、「製品への価格転嫁は難しい」と苦しい胸の内を語る。このため9月24日に発売する液体洗剤「トップ NANOX(ナノックス)」の改良新製品など高付加価値品へのシフトや、「海外の関連会社を含めた原料の共同購買などで影響を最大限抑える」(コーポレートコミュニケーションセンター)。
価格転嫁避けられず「コストダウンなどの企業努力も限界にきている」
限界を超えた素材メーカーで価格転嫁に踏み切る企業も増えてきた。ガラスメーカー最大手、旭硝子は国内建築用ガラス製品の価格を9月1日の出荷分から10~20%引き上げる。ガラスの原料となるけい砂などの価格が主因で、原油価格が急騰した08年1月以来の値上げだ。「運送費や人件費の上昇もあり、コストダウンなどの企業努力も限界にきている」(広報・IR室)
日本板硝子も同様の価格改定を予定しており、他社も追随しそうだ。製紙業界でも三菱製紙が10月1日から、本の表紙やケーキの箱などに使われる白板紙を10%以上値上げ。昨年来、印刷用紙や情報紙は値上げしてきたが、原料の高止まりで「比較的需要が安定している白板紙も値上げせざるを得なくなった」(広報・IR室)