財務省が5月に打ち出したたばこ販売規制強化案が波紋を広げている。これまで条件付きで認められた既存店周辺における新規販売の許可基準を厳格化、これにより8月以降に出店を計画する一部のコンビニエンスストアに販売が認められない可能性が出てきた。コンビニにとって売上比率の高いたばこ販売の可否は死活問題で、専売店優遇ともとれる今回の措置に関係者からは「民業圧迫だ」との恨み節も聞かれる。
5月30日に開催された財政制度等審議会たばこ事業等分科会。財務省は、人口50万人以上の指定都市の市街地の場合、立地するたばこ販売店の月間販売数量が1万5000本以上あれば、その店から100メートル圏内は、新たにたばこ販売を許可しないとする基準見直し案を提示した。
これまでは同立地で既存店が“保護”された月間販売数量の線引きは2万5000本。基準を1万本も引き下げたことで、保護される零細店が増える。財務省は「たばこ販売本数が低下傾向にあることも踏まえた」と説明。その上で、規制強化が販売本数を押し下げる要因にはならないと強調する。