甘利明経済再生担当相は9日の閣僚懇談会で、消費税率引き上げ1カ月間の個人消費の動向について報告した。自動車や家電、食料品など幅広い分野で反動減が出ているが、品目別では改善の兆しも出ているという。甘利氏は今後も定期的に閣僚懇談会に個人消費の動向を報告し、引き続き注視する考えを示した。
内閣府によると、4月の新車販売台数は、前年比5.1%減だった。3月までの駆け込み需要に伴う受注が残っていたこともあり、平成9年の前回増税時の同12.8%減よりは反動が小さかった。ただし、増税後の受注状況は弱く、内閣府は「先行きは慎重に見る必要がある」としている。
家電は、販売金額で4月第4週と5月第1週がともに前年比約11%減でほぼ横ばいの状況だった。「パソコンの伸びは縮小したが、白物家電のマイナス幅が縮小した」(家電量販店)との声が多く聞かれた。
スーパーの食料品は、販売金額が4月は前年比約10%減だったが、5月第1週は同約3%減と改善した。百貨店も「5月に入って徐々に改善している」という見方もあった。
駆け込み需要が小さかった外食は「高価格商品の販売も堅調」(外食チェーン店)などの声が多く、底堅く推移している。