日銀は4月17日、4月の地域経済報告(さくらリポート)を発表し、1月の前回報告に続き、全国9地域の景気の現状判断に「回復」の表現を盛り込んだ。やや出遅れていた北陸の判断を「緩やかに回復している」に上方修正し、残り8地域は据え置いた。企業の生産が緩やかに増加する中で、雇用・所得環境が改善し、幅広い地域で景気回復が続いていることを示した。
報告は4月上旬ごろまでの動向を反映した。日銀は「消費税率引き上げの影響による振れ」をともないつつも、「生産が緩やかな増加基調をたどり、雇用・所得環境も改善している」ことを反映し、景気回復が続いていると指摘した。
ただ、日銀が大規模な金融緩和策を導入した昨年(2013年)4月以降、景気判断の上方修正が1地域にとどまったのは初めてで、足元では回復に足踏み感もうかがえる。
≪景気手応えも 増税影響し足踏み感≫
全国9つの地域全てで景気の現状判断に「回復」の表現が盛り込まれた4月の地域経済報告(さくらリポート)。消費税増税後も各地域で、生産から雇用、支出の前向きな循環が続いていることが確認され、4月17日会見した日銀の各支店長も景気改善への手応えを口にした。ただ、個人消費には消費税増税前の駆け込み需要の反動が出始めるなど、先行き増税影響を乗り切れるか、予断を許さない。